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個人事業から法人への検討(法人成り)




 個人事業から法人への検討(法人成り)


 法人成りとは? 

  個人事業を廃止して、
  法人(株式会社や合同会社など)を設立することをいいます。




 法人成りのメリットとは? 


    (1) 経営者意識の転換により経営の合理化
    (2) 取引先等に対する信用の増大
    (3) 経営者の所得が「事業所得」から「給与所得」への転換による税の軽減
    (4) 経営者家族への給与(所得分散)による税の軽減
    (5) 経営者又は経営者家族に対する退職金支給による税の軽減
    (6) 生命保険料を経費にすることによる税の軽減
    (7) 実費旅費から規程旅費による税の軽減
    (8) 社会保険加入による人材確保の容易
    (9) 相続税対策 など

     ※ 個人事業の場合には、「所得税」、
        法人の場合には、「法人税等」を納付することになります。
        
法人成りをする前に「税額シュミレーション」を行う必要があります。



 法人成りのデメリットとは? 

    (1) 法人の設立費用が約30万円近く発生します。
    (2) 個人事業よりも法人の維持関連費用が多額に発生します。
        @ 法人住民税(赤字の場合においても最低7万円を納付します。)
        A 税理士などに支払う顧問料報酬
        B 社会保険料の負担
        C 役員変更登記 など
    (3) 個人事業よりもお金の出し入れを自由にすることができません。
    (4) 交際費に限度枠があります。
    (5) 記帳義務の負担
    (6) 税務調査による賞与認定処分 など



 法人成りによる個人の所得計算(個人の確定申告) 

   個人事業者が
   法人成りをした1月1日〜事業廃止日までの「事業所得」の計算方法について

    (1) 事業廃止に伴う所得計算(総収入金額)
         @  売上高(設立法人への引継ぎに伴う売上高を計上する。)
         A  貸倒引当金を全額戻し入れる。
         B  買掛金などの債務を免除を受けた場合には、
            その債務免除益を総収入金額に算入する。
         C  延払基準の方法を適用している場合には修正を行う など
    (2) 事業廃止に伴う所得計算(必要経費)
         @  売上原価(期末商品たな卸高はゼロとする。)
         A  貸倒引当金を新たに繰入れることはできない。
         B  売掛金などの債権を免除をした場合には、
            その債権の免除額を必要経費に算入する。
         C  事業税の見込控除 など
    
(3) 青色申告の効力は、翌年分から消滅する。
         青色申告者が業務の全部を廃止した場合には、
         翌年分以降の所得税については青色申告の効力を失うことになります。
         ただし、個人事業と不動産賃貸業などを複数行っている場合には、
         個人事業を廃止した場合においても、青色申告の効力は消滅しません。




 法人成りの引継ぎの留意点(基本) 

   (1) 金銭債権・債務については、そのまま簿価で引継ぐため課税関係は生じません。
      ただし、不良債権の引継ぎは認められません。
   (2) 棚卸資産の引継価額は原価で行います。
   (3) 不動産の場合には、
      通常、譲渡所得が発生するため、法人に引継がず、
      個人名義のままとすることが多いです。
      この場合においては、法人は個人から建物等を賃借することになります。
      個人側において、「不動産所得」として確定申告を行う必要があります。
   (4) 車輛等は時価で引継ぎます。
   (5) 減価償却資産は、引継時の簿価で引継ぎます。
   (6) 法人の決算日は、事業の特異性、消費税の負担を検討したうえで決定。
   (7) 契約書等の作成
       @ 財産目録(引継資産・負債一覧表)
       A 譲渡(譲受)契約書
       B 賃貸借契約書
       C 金銭消費貸借契約書
       D 株主総会議事録  など

     
※ 個人事業から法人に資産及び負債を移転する場合には、
        極力、事業に必要なものに限定して行うことが大事だと思います。



 法人成りした場合の一括償却資産の必要経費算入 

  (Q) 法人成りをする場合には、
      個人事業の用に供していた一括償却資産の未償却残高は、法人に引き継ぐこと
      ができますか?
  (A) 一括償却資産の未償却残高については、
      事業を廃止した場合には、その事業を承継する人もいませんので、
     
全てを廃業した日の属する年分の事業所得の必要経費に算入することになります。

   


 個人事業当時からの使用人に対する退職金 

   個人事業を引き継いで設立された法人が、
   個人事業当時から引き続き在職する使用人の退職に伴い退職金を支給する場合は?

   一般的にはその退職金には、
   個人時代と法人成り後の両方の勤務に対応する分が含まれていると考えらます。
   そのため、原則として個人時代の勤務に対応する部分の金額は
   法人の損金の額には算入されず、個人所得税の最終年分の必要経費になります。
    ただし、、その退職が法人設立後相当の期間が経過した後であるときは、
   その支給した退職金の金額が法人の損金の額に算入されます。




 個人事業者が法人成りをした場合の消費税の納税義務 

    年の中途において個人事業者が法人成りをした場合には、
    消費税の納税義務の判定は、事業者単位で行います。 
    法人成りをする前の個人と法人成り後の法人とは別々に判断することになります。
    したがって、個人事業者の基準期間における課税売上高は、
    法人の基準期間における課税売上高とはなりません。



 事業用資産の引継きは現物出資ではなく課税資産の譲渡であるとした事例  

  ( 裁決事例集 No.76 平成20年12月15日 裁決 )
   事業用資産及び当該資産と同額の負債を法人に引継いだ場合、現物出資ではなく、
   負債の引受額を課税資産の譲渡とした事例。

   消費税の課税対象は、
   「国内において事業者が事業として対価を得て行われる資産の譲渡等」と解されるところ、
   消費税法において、資産(非課税取引を含む)及び負債が一体となった「営業」それ自体を
   一つの課税客体ととらえて課税対象とする規定は存在しません。
   譲渡された資産の相手勘定を負債とした法人における仕訳処理は、
   本件法人成りにおいて負債の引受けが資産の引受けの反対給付である証であり、
   請求人は、資産の譲渡の対価として法人から金銭を収受する代わりに負債を引き受けさせ、
   債務の支払義務の消滅という経済的利益を得たものであるから、
   当該負債の引受額は消費税法における資産の譲渡の対価の額に相当する。








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